田舎の実家(空き家)を相続放棄するつもりです。私は空き家に関する責任を免れますか?
CASE1 あなた以外に相続人が存在しない場合 たとえ、あなたが、相続放棄したとしても、その空き家に対する管理義務は直ちに消滅するわけではありません。相続放棄後であっても、その管理が不十分で第三者に損害を与えたときには、あなたは責任を問われる可能性があります。ただし、あなたが、家庭裁判所に対して相続財産管理人選任の申立てをして、同相続財産管理人が相続財産の管理を始めれば、あなたの管理義務は消滅します。もっとも、相続財産管理人選任の申立の際には裁判所から予納金の納付を求められます。少なくとも50万円程度は覚悟した方が良いでしょう。また、空き家の解体費用等について、相続財産で賄えないときには申立人(あなた)の負担となります。
CASE2 共同相続人がいる場合(あなたに兄弟がいる様な場合) 相続放棄により、あなたのその空き家に対する管理義務は消滅します。
CASE3 共同相続人は存在しないが、次順位の相続人がいる場合(あなたに兄弟はいないが、他界した親(被相続人)に兄弟がいる様な場合) あなたが相続放棄をすることにより、次順位の相続人が相続人となります。したがって、空き家に対する管理義務は次順位の相続人に移転することになります。ただし、あなたの管理義務が消滅するのは次順位の相続人が実際にその空き家を管理することが出来るようになってからです。あなたが相続放棄したことを次順位の相続人は知らないでしょうから、何らかの形でそれを知らせて、相続財産に空き家が含まれていることを認識させる必要があるでしょう。